前回の続きです。
先延ばしにしていたコンフィグの扱いについて書いてみます。
前回もお話ししたように、v10 のインストールは image2disk でも b software でも、今動いているスロットのコンフィグをそのままインストールするスロットに入れてしまいます。
これはもちろんデフォルトの場合で、回避することもできます。
image2disk の場合は二つのオプションがあります。
--nosaveconfig 今動いているスロットのコンフィグを使わないという指定
--nomoveconfig インストール先のスロットのコンフィグを使うという指定
何も指定しないと今動いているスロットのコンフィグを使います。
ちょっと具体的に書いてみます。
例えば HD1.1 に 9.4.8 が入っていて、新しく HD1.2 に v10 を入れるという場合です。
HD1.2 が空っぽの場合を想定してます。
HD1.1 で image2disk を打ったときの動作は下のようになります。
image2disk --instslot=HD1.2 で何もオプションを指定しないと HD1.1 のコンフィグを HD1.2 に渡します。
image2disk --instslot=HD1.2 --nosaveconfig は HD1.1 のコンフィグを使わないので何も設定は入りません。
image2disk --instslot=HD1.2 --nomoveconfig は HD1.2 のコンフィグを使うという指定ですが、HD1.2 には何も入ってないので設定も入りません。(もしかしたら蹴られるかも)
ただし、HD1.2 にあらかじめ何かがインストールされているときはちょっと変わります。
image2disk --instslot=HD1.2 でオプションなしは変わりません。
image2disk --instslot=HD1.2 --nosaveconfig は HD1.1 のコンフィグを使わないというだけなので、HD1.2 の設定がそのまま残ります。
image2disk --instslot=HD1.2 --nomoveconfig の場合は HD1.2 のコンフィグをそのまま使います。
要するに、自分のコンフィグなのかターゲットのコンフィグなのか、どっちを使うのか指定しているわけです。
まとめると
オプションなし | 自分のコンフィグを使います |
--nosaveconfig | 自分のコンフィグを使用しません |
--nomoveconfig | 相手のコンフィグを使います |
インストール先のスロットに OS が有る無いでちょっと動きが変わるのでそこだけ注意です。
ところでこれは image2disk を使っているので v9 から v10 をインストールするときですね。
v10 の場合は b software を使うんだけど、そのときはどーすんの?という疑問があると思います。
その場合は image2disk のようにオプション指定ではできません。
bigpipe で DB 値を変更した後に b software でインストールをする必要があります。
下の SOL が詳しいです。
SOL11267: Controlling configuration import when performing installations from the Configuration utility
https://support.f5.com/kb/en-us/solutions/public/11000/200/sol11267.html
MoveConfig とか SaveConfig の DB 値を変更することで実現できます。
最初は「こっちは enable で~、えっと、こっちは disable ……」みたいに悩むと思いますが、慣れてくださいとしか言えないのが悲しいです。
key の名前が分かりづらいのは俺もそう思います。
単純に targetconfig とか currentconfig とかのほうがまだ良かった気もするんですけど……